君と永遠に続く恋をしよう
酔ってる彼は必要以上に色気があってドキンと胸が弾んだ。
緩めた首元に見える鎖骨が男っぽくて、それを見てると逃げるにも逃げれずに戸惑った。


ぎゅっと手を固く握られて、益々力を込めてくるから弱った。
湿った声で名前を呼ばれると胸は更に鳴って、息は酒くさいのに、それにも酔いそうでクラクラした。


だいぶ酔ってるな、と思ったから逃げずに大丈夫?と心配したのに。
何も出来ないだろうとタカを括ってたのがいけなかった。


(あんな強引なキスなんてされて、しかも絶対に隙あり!って感じだったから余計に…)


頭にきて叩いてしまった。

あんな人だとは思わなかった。
もっと正々堂々と攻めてくるのかと勘違いしてた。


(でも、考えてみればワインとかマカロンとか買って、両親にも取り入ろうとしているし、そう思ったら、さっきみたいなことも平気でしそうな気もする)


とにかく、もう二度と気を許したりしない。
彼の側には近寄らないようにして、オフィスへ来ても当たり障りなく接することにしよう。


「それに兄さん」


私はチェストの上に置いた家族写真の兄に向いて声をかける。


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