君と永遠に続く恋をしよう
「あんなオオカミ男を私に勧めるのは間違ってるよ」


お陰で大事な唇を奪われたじゃない、と呟き、もう一度「最低…」と囁いた。


だけど、私はこの時何も知らなかったんだ。
母が彼に「また遊びに来て下さい」と言ってたってことを__。




翌週は、桜庭さんからのアポは入らずホッとした。

金曜日になると、角川さんは期待して待っていたが、社長も支社に出張して居なかったし、私は彼の話題を振られても冷たくあしらって乗らなかった。


「何よぉ。何かあったの?」


奈央ちゃん冷たい、と頬を膨らませる角川さんに、「別に何も」とクールに接する。


「毎週のように家に来られても困りますからね。それでなくても彼が来ると、父が燥いで飲み過ぎて大変なんです」


飲み代も馬鹿になりません、と言い切ると、角川さんは「刺々しいわね」と指摘する。


「いいじゃない。お父さんも飲む相手がいて嬉しいだけなんでしょ」


寂しそうにしてたんだから幸いじゃない、と言う。
確かにそうだけど、キスをされたのは余計だ。


「お母さんも彼が来ると嬉しそうにしてない?」


「そりゃ、してますけど」


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