君と永遠に続く恋をしよう
ディスプレーから声が聞こえてビクン!と肩が跳ね上がる。
紛れなもなく聞き覚えのある声に反応して、ドキン!と胸の音が弾んだ。


「もう退社した?今どの辺にいる?」


声のバックからは足音やクラクションが聞こえる。
ひょっとして、彼はこの近くに来ているとか?


「何処って…」


まだ表通りに出て数メートルしか進んでない。
彼がこっちに向かってるのだとしたら、さっさと逃げ出さないとまずいかも。


キョロキョロと周りを見回して姿を確認する。

今日はアポも取ってなかったし、てっきりこっちには来ないだろうと思って油断した。
しかもこの間、自分のスマホから彼に電話を入れてたんだ。


(しまった!着否しておけば良かった)


流石にそれはやり過ぎかな…と思って躊躇ったんだ。
だったら会ったとしても、とにかく冷静に対応を……


「あの…」

「いた!」


電話の声と私の声が重なり、思わず後ろを振り返る。


「良かった。まだ近くに居てくれて」


白い息を吐き出しながら寄ってくる彼は、私を見て嬉しそうな表情を見せた。


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