君と永遠に続く恋をしよう
「美味しかった。ご馳走様です」
最後のお茶漬けまでキッチリ食べて手を合わせると、彼は「いいえ」と言って微笑む。
二人きりで食事するのは初めてだったけど、美味しい物を前にピリピリするのも何だから、楽しく会話して過ごそうと心掛けた。
桜庭さんとは、「兄」という共通点がある。
それは平野さんとも変わらないんだけど、彼が知ってる兄は、平野さんが話すのとはまた違って、私の知らない部分を多く語ってくれて面白かった。
特に女性関係の話が。
実は、兄は彼女というのを家には絶対に連れてこない主義で、妹の私でさえも、その存在が居たのかどうかさえも知らないくらい秘密にしてた。
けれど、桜庭さんはそれを少しだけ明かしてくれた。
大学時代に兄が付き合ってたのは、ミスキャンパスと呼ばれるくらい、綺麗な女性だった…ということを。
「見たところ、かなり本気っぽかったんだけどな」
てっきり卒業してからも付き合ってるんだろうと思っていたのに、そうじゃないと知った時は驚いたそうだ。
色々と何かあったみたいだと話し、でも、その内容は教えてもくれなかった。