君と永遠に続く恋をしよう
泣くな泣くな、と自分に言い聞かせながら、じっとスクリーンばかりを見続ける。
気を緩ませると涙が滝の様に溢れてきそうで、瞬きもしないで見つめてた。


涙を流す代わりにぎゅっと手を握った時だ。
その手を包む様に、桜庭さんがそっと手を重ねてきた。

ドキッと胸が弾んで彼を振り返り、反動でぼろりと涙が溢れ落ちた。

彼はそれを見ても慌てず、大丈夫?と囁いてハンカチを差し出してくる。

それを私は拒否する訳にはいかなかった。

一旦溢れ出した涙は止まることを知らなくて、おまけに私が泣くのを慰めるかのように、桜庭さんが手をずっとポンポンと優しく叩いてくれてたから。


お陰で私は最後の字幕が終わるまでずっと泣き通しだった。
会場が明るくなっても泣いてる所為で、周りの人達からは注目をされてしまい__。



(は、恥ずかしい…)


そう思うけど涙は勝手に溢れてくる。
きっと桜庭さんも困ってる筈…と思うから、何とかしたいと思っても難しくて。


「いいよ。ゆっくり落ち着いてから出よう」


ふわっと上から覆い被さるようにした彼が、耳元でそう囁く。

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