君と永遠に続く恋をしよう
「お休みなさい」


挨拶をして車を出ようとすると、桜庭さんは私の手を握って止めようとした。

ドキッと胸が跳ねて無言になり、さっきのキスのこともあって彼の顔を見れず……。


「もう遅いから」


結局、零時近くになってしまい、流石に彼も「そうだな」と囁くしかなかった。


「今夜は…ありがとうございました」


顔を伏せたままお礼を言ってドアを開け、離れていく彼の手の温もりを感じたままドアを閉めて一礼した。


彼はウインドウを若干下げて「また」と微笑み、ゆっくり車を発進させる。
その車体が走り去って行くのを見送りつつ、いつまでも響く胸の鼓動を感じていた。


(私……どうしてあんなキスを……)


まるで彼に離れないで欲しいと強請るようにキスを繰り返した。
彼の方も私を離したくないと言ってるように求めてきた。


(この間はあんなに怒ったのに……)


自分のことながら、二週間前とは違う感情が今日は湧いた。
映画の所為だと思いたいけど、やっぱりそれだけじゃない気もする。


(もしかして私、彼のことが好きになりかけてる…とか?まさか、そんなこと……)


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