君と永遠に続く恋をしよう
寝てる場合じゃないだろ、と泣き崩れながらそう言って縋り、それを見ている私達家族までもが悲しくなって泣いた。


まるで親族のように過ごしてきた彼は、通夜も葬儀も火葬も参列してくれて、その日のうちに済ませた初七日の法要にも立ち会ってくれた。



(そんないい人を嫌うなんて)


酒が飲めないとかいう理由で…と父のことを思い出しながら、近くのコンビニで彼を待ち、やって来たワンボックスカーに気づいて手を振る。



「お待たせ。早かったな」


兄の死以来、バイクは卒業したと平野さんは言ってた。
呆気なく終わった兄の人生を機に、彼もまた少し変わったんだと思う。


「何食べる?好きな天ぷらにするか?」


私の好みを熟知してる平野さんは、さらりと私の好物を上げる。
でも、残念ながらそれは昨夜食べてしまった。


「天ぷらはいい。昨日食べちゃったから」


そう言うと平野さんはピクッと眉を動かし、「あいつとか?」と訊いた。


「うん、まあ」


ここで嘘を吐いても、もう一緒に食事してることはバレてると思い頷く。

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