俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
数日後。

「これ、40部ずつコピーして、まとめたら、会議室に配っておいて。」

企画部の人に頼まれて、私は言われた通りに仕事をし、それが終わるとまた、別の雑用をこなしていた。

すると、企画部の部長が、凄い剣幕でこちらに来る。

「会議室に配っておいたのは君か?」
「はい、そうですが」

「20部足りない。それに、お茶も配るよう頼んでおくよう言ってた筈だが?」
「…え?それは」

確かに頼まれたのは40部。ちゃんとコピーして、配っておいた。

お茶は頼まれていないが?

私は、頼んできた人を見るが、目を反らされてしまった。

…責任は、全て私が負えと?

私は仕方なく頭を下げた。

「申し訳ありません。今すぐやり直します」

「部長、それ確か、佐伯さんが有坂さんに頼んでいました。私も、40部だと聞いていましたし、お茶なんて、頼まれていませんでしたよ?そうですよね、佐伯さん?」

助け船を出したのは、瑞樹だった。

「…それは」

口ごもる佐伯さん。そこに更に、瑞樹は続ける。

「佐伯さん、有坂さんは、自分が悪い訳じゃないのに、謝罪してるんですよ。それは、佐伯さんが謝罪すべきなんじゃないですか?自分の非は、自分で認めて尻拭いしてください」

カツを入れられ、佐伯さんは部長と私に謝罪し、私と共に、準備し直してくれた。

『アイツ、仕事できるからって、天狗になりすぎなんだ。女子社員の前では、カッコつけやがって』


企画部の男性社員の声が聞こえてきた。
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