俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
私は正論を述べただけの瑞樹は悪くないと思うから、カチンときて、抗議しようとした。

…が。

瑞樹に、肩を捕まれ、止めろと言われた。

「でも、あれじゃあ、瑞樹さんが悪者に」

私の言葉に、瑞樹は笑う。

「いいんだよ、言いたいやつには言わせておけば」
「…」

その言葉に、私は瑞樹を見つめる。

「俺は企画って言う仕事が好きなんだな。あんなのは気にしない。波風立てて、仕事に支障が出るより、ずっとマシ。でも、怒ろうとしてくれてありがとう、結愛」

そう言うと、肩をポンポンと叩いて仕事に戻っていった。

それからと言うもの、何かにつけて、瑞樹に助けられることが多かった。

企画部の女子社員たちも、ほとんどが瑞樹の味方なので、私にも優しくて。

大変だと聞いていた企画部のサポートは、無事に終えることが出来た。

最終日。

仕事を終えた私は、自分の荷物をまとめると、総務課のオフィスにそれを持って帰る。

と、その荷物を瑞樹が持ってくれた。

「お疲れ様」
「お疲れ様でした。色々助けてくれてありがとうございました」

私の言葉に瑞樹は首をふる。

「今夜、打ち上げしよう。奢るよ」
「でも」

瑞樹の気持ちを知っているので、素直に頷けない。

「先輩後輩の食事なんだから、俺の気持ちは気にせずに付き合ってよ」

そう言われると、断れない。
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