俺様社長の溺愛～大人の恋を指南して～
「昨晩、結愛のアパートに行って、言ったのが、俺の本心だよ。それなのに、俺に彼女がいるのはおかしいだろ？」

…確かに、社長に彼女がいるのであれば、そんな事は言うはずない。

社長が二股なんて…するはずないと、思えるけど。

でも、実際に見た、あの女性は？

私にあんなことを言った真意がわからない。

「…結愛、お前の気持ちが知りたい」

「…私は、社長の事、」

そこまでいいかけて、社長の携帯が鳴る。

「社長電話が」
「今はいい。そんな事よりも、結愛の気持ちを知る方が大事だ」

…そうは言っても、携帯は鳴り止まない。

「…社長、出てください。その後で、必ず言いますから」

私の言葉に、社長はため息をついて、携帯に出た。

「…はい、あぁ…わかった。直ぐに戻る」

…どうやら、私の話は聞けなくなったようだ。

「社長、今は休憩中とは言え、もう始業時間です。話は仕事が終わってからでも出来ます」

「…結愛が、俺の携帯を着信拒否してる」

不貞腐れたように呟いた社長を見て、困ったような笑みを浮かべた。

そして、私は鞄から携帯を出すと、社長に着信拒否を外したことを見せた。

「仕事が終わったら、連絡する。その時は必ず結愛の気持ちを聞かせてくれ」

そう言うと、数秒私を抱き締めると、頭にキスを落として、屋上を出ていった。
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