俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
…電車の中でも、道を歩いてても、良樹はずっと私の手を離す気配はなく、恥ずかしかったけど、そのうちその大きな手に安心さえ感じていた。

「家の近くにスーパーは?」
「え、ぁ、ありますけど?」

なぜ、急にそんな事を聞かれたのか、わからないまま、道案内をして、スーパーにたどり着いた。

「着きましたけど」
「夕飯の買い物をしよう」

その言葉に驚く。

「えっ?」
「料理はできないが、手伝いと片付けはできる」

ドヤ顔で言われて、可笑しくなって吹き出すと良樹は笑うなと私の手を引っ張り、中へと入っていった。

良樹のリクエスト料理に必要な材料を買うと、レジでさっさと会計を済ませた良樹は、袋に入れるよう私に促す。

私は礼を言いつつ、袋に材料を入れる、と。

その袋を、良樹はサッと持ってくれて、空いてるもう片方の手で、また、私と手を繋いだ。

アパートに着くと、早速料理を始め、良樹はサポートに入ってくれて、素早く料理は完成した。

二人でその料理を食べ、後片付けをし、小さなソファーに引っ付いて座る、あ。

「よ、良樹さん、これは」

膝の上に座らされた私は真っ赤な顔でオドオドする。

「結愛の全部を俺のものにしたい。結愛がずっと俺の傍に居られるように。不安無く幸せで居られるように」

…良樹は私の不安な気持ちなんて、全てお見通しだった。

それが、何だか嬉しくて、涙目で柔らかな笑みを浮かべたけど

「良樹さんの、モノにしてください」

自然とそんな言葉が、自分の口からでた。
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