俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
翌朝、大好きな人の腕の中で目を覚ました私は、思わず顔を緩めた。

すると、良樹も目を覚まし、私の顔を見た良樹は、軽く鼻を摘まむ。

「おはよ」
「おはようございます」

「よく眠れた?」
「はい、ぐっすりと」

「今日からまた、会社だな」
「…そうですね」

また、慌ただしい毎日が始まる。

それと同時に、また、離ればなれだ。

私はつい、あからさまに、寂しそうな顔をしてしまった。

「結愛は、本当にワガママを言わないな」
「ワガママを言うくらいなら、人を困らせてしまうのは嫌だから、我慢します」

そう言うと、良樹は私の両頬を包み込んだ。

「…良樹さん?」

「結愛が言わないなら、俺がワガママ言わせてもらうことにする」

その言葉の意味を、理解するのは少し先になってからだった。
< 59 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop