俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
さっきまでの緊張はどこへやら。

私の反応に、社長は声をあげて笑いだした。

「な、何が可笑しいんですか?」
「お前の反応があまりに新鮮で」

ムッとした私は、社長だと言うことを忘れて反論する。

「どうせ、私は子供ですよ。社長の周りにいる女性たちとは、月とすっぽんです」

そう言いながら、美味しい料理を食べる。

「…いや、お前はそのままでいい。いや、その方がいい」

「…」

その言葉の意味が理解できなくて、黙りこむ。

すると社長は微笑んで。

「お前といると心が和む」
「…お世辞と思って、ありがたく頂いておきます」

そう言うと、社長はまた笑った。

料理を食べて、デザートもしっかり食べて、食後のコーヒー。

私は化粧室に行くため、一旦席を離れた。

コーヒーを置いた店の人が、社長に言う。

「初めて聞きました、社長の自然で本当に楽しそうな笑い声。お連れ様とは本当に良いご関係なんですね」

「どうかな。向こうは迷惑そうだ」

「そうなんですか?」

「私は、楽しい…それに」

そこまで言いかけて、私が帰ってきてしまったので、社長は口をつぐんだ。

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