俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
「…私は、クビって事ですか?」

少し、震えた声で部長に問いかける。

すると、部長は、苦笑して、こう言った。

「企画部はクビって事かな」
「…」

私は何か、そんなに大きな失敗をおかしたのだろうか?

もう、なんの言葉も出てこない。

「有坂」

瑞樹が心配そうな顔で、私の名を呼ぶ。

そんな中、今にも泣き出しそうな私を見て、部長が慌て出した。

「すまない。冗談が過ぎた」
「…へ?」

瞬きをした瞬間、一粒涙が落ちた。

「あぁ、どうしよう、笠原君。私は有坂さんを泣かせようなんて思ってなかったのに」

部長の慌てように、瑞樹はため息をついた。

「俺は知りませんよ。部長がどうにかしてください」
「有坂君、ほんとーに、すまない。君は異動だ」

「…い、どう?」
「来月から、最上階のフロアに異動だ」

最上階???

「社長の専属秘書だ」
「…っ?、!」

社長秘書だ?!

…え、つまり、その、あの人の専属秘書?

私はバッと、瑞樹を見れば、お手上げポーズをして見せた。

突然の異動に、惜しむ声が多数上がるも、社長命令だと言われ、仕方なく、企画部のみんなは、私を送り出した。
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