俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
「…社長、ここは、もしかして」
「うん?もしかしなくても、俺んちだけど」

「私はてっきり」

…あの、アパートに送ってくれるものだと思ってた。

「ほら、行くぞ」
「え、でも、お泊まりセットなんて持ってないし」

「あぁ、そうか、そうだな。じゃあ、買いにいこう。直ぐそこに、24時間営業のスーパーがあるから」

と言うなり、有無を言わせず、いるものを次々とかごにいれ、サッと会計を済ませると、また、社長の家に。

「あの、社長」
「お風呂の場所は分かるだろ?ほら、さっさと行って」

「え、あ、」

背中を押され、根負けした私はお風呂へ。

着替えは、買った下着と、社長のジャージ。

…だぼだぼだ。

足長いな。

なんて、感心しながら、社長の元へ行くと、晩御飯が。

「え、これ」
「それ、出来合いだけど食べてろ。俺は済ませてるから。風呂入ってくるわ」

何て言い、さっさとお風呂へ行ってしまった。

おずおずと、椅子に座り、それを食べる。

「うわっ、美味しい」

…何でも出来る社長に、ちょっとした嫉妬心さえ芽生える。

イヤ、そんな事はどうでもいい。

私って凄く、いや、相当大事にされてるってこと。

…美味しく頂いた料理。

皿はちゃんと洗って拭いて、もとある場所であろう場所に返すと、リビングのソファーの端にちょこんと座った。

「…っ?!」

後ろから突然肩を捕まれた私はビクッとしたが。

それは、一瞬の事。

肩をマッサージされ、うとうと。

「…社長」
「…いまは、プライベートな時間なんだけどな」

「…良樹さん」
「ん?」

「色々ありがとうございます」
「無理をさせてるのは、俺だから」

その言葉を最後に、私は眠ってしまった。
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