俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
それからの私たちの間は、ただ沈黙が続き、それでも仕事はしなければならず、この重い空気に耐えるしかなかった。
家に戻ってからも、私は心ここにあらずといった感じで、事務的に家事をこなしていた。
…いつもなら、同じベッドに寝るはずなのに、社長は来ることはなく、もう耐えられなくなった私は、リビングにいる社長のもとに向かう。
この、ほんの数歩の距離が、何十メートルにも思えてならない。
「良樹さん」
「…結愛、おいで…大事な話をしよう」
大事な話をしよう。それを受け止めることが、今の私にできるのか、私は手を握りしめたまま、社長の隣に座った。
私の不安が直ぐに分かった社長のは、握りしめたまま私の手を優しく包み込んだ。
「不安にさせてゴメン…西園寺専務が言ってたのは、優子は、俺のフィアンセだった人だよ…でも、まさか、西園寺専務と兄妹だったなんて、知らなかった。優子は自分の素性を一切明かさないまま、この世からいなくなったから」
私は、息を呑んだ。
「この世からいなくなったからって」
「優子は自分が末期のガンだと言うことすら、死ぬまで明かさなかったから」
そう言った社長の顔は、悲痛に歪んでいた。
家に戻ってからも、私は心ここにあらずといった感じで、事務的に家事をこなしていた。
…いつもなら、同じベッドに寝るはずなのに、社長は来ることはなく、もう耐えられなくなった私は、リビングにいる社長のもとに向かう。
この、ほんの数歩の距離が、何十メートルにも思えてならない。
「良樹さん」
「…結愛、おいで…大事な話をしよう」
大事な話をしよう。それを受け止めることが、今の私にできるのか、私は手を握りしめたまま、社長の隣に座った。
私の不安が直ぐに分かった社長のは、握りしめたまま私の手を優しく包み込んだ。
「不安にさせてゴメン…西園寺専務が言ってたのは、優子は、俺のフィアンセだった人だよ…でも、まさか、西園寺専務と兄妹だったなんて、知らなかった。優子は自分の素性を一切明かさないまま、この世からいなくなったから」
私は、息を呑んだ。
「この世からいなくなったからって」
「優子は自分が末期のガンだと言うことすら、死ぬまで明かさなかったから」
そう言った社長の顔は、悲痛に歪んでいた。