皇帝陛下の花嫁公募
祖父の家に戻ってからは、また祖父の友人やら取引相手が招かれて、お祝いの宴が開かれた。リゼットは彼らに愛想よくした後、すっかり疲れてしまい、自分の部屋に戻った。
「まったく姫様はお疲れだっていうのが判らないのかしらねえ」
ナディアは祖父への愚痴を言いながら、寝支度を手伝ってくれた。本当のこと言えば、昨夜アロイスとの別れで泣き腫らして、よく眠れなかったから、今夜は余計に疲れているのだ。
だが、一人きりになったところで、眠気が遠のいてくる。花嫁に選ばれた流れで、なんとなく渡された指輪が目に入ったからだ。
見事なダイヤモンドの指輪で、先祖から伝わってきたものだという。けれども、婚約のついでのように渡されたことで、感動も薄かった。
すぐに彼は側近から呼ばれて、その場からいなくなってしまったからだ。
なんだか疑問が浮かんできてしまう。いや、アンドレアスがリゼットを花嫁だと言ったその瞬間から、疑問だったのだが。
そもそも、どうして彼はわたしを花嫁に選んだのかしら。
「まったく姫様はお疲れだっていうのが判らないのかしらねえ」
ナディアは祖父への愚痴を言いながら、寝支度を手伝ってくれた。本当のこと言えば、昨夜アロイスとの別れで泣き腫らして、よく眠れなかったから、今夜は余計に疲れているのだ。
だが、一人きりになったところで、眠気が遠のいてくる。花嫁に選ばれた流れで、なんとなく渡された指輪が目に入ったからだ。
見事なダイヤモンドの指輪で、先祖から伝わってきたものだという。けれども、婚約のついでのように渡されたことで、感動も薄かった。
すぐに彼は側近から呼ばれて、その場からいなくなってしまったからだ。
なんだか疑問が浮かんできてしまう。いや、アンドレアスがリゼットを花嫁だと言ったその瞬間から、疑問だったのだが。
そもそも、どうして彼はわたしを花嫁に選んだのかしら。