皇帝陛下の花嫁公募
「公募! 公募ですと? 陛下、花嫁を公募するなど前代未聞ではありませんか!」
「だから、いいんだ。国中の娘が花嫁になりたいと押し寄せてくる。娘だけでなく、その親や付き添いやいろんな者達がやってきて、帝都の景気はよくなるだろう。
帝都だけではない。そんな一行が旅をしてくれれば、街道筋の店や宿屋は儲かるだろう。そして、集められた娘達が競い合うんだ。これは帝国民の娯楽にもなる」
ネスケルはあっけに取られていた。実はアンドレアスは自分でも呆れていた。次から次へと口からアイデアが飛び出してきたが、本気で言ったわけではない。
だが……それも悪くないかもしれない。
跡継ぎは欲しくても、取り澄ました上品な姫なんかと結婚したくなかった。自分は皇帝でありながら、兵士に混じって己を鍛えることが好きなのだ。そして、戦うのが好きな粗野な男だ。姫なんかとは合わないに決まっている。
「最終的にはもちろん私が選ぶ。身分は問わない。早速、手続きをしてくれ」
「陛下……やはりそれは……」
ネスケルはなんとかアンドレアスの決意を翻させようとしている。
「だから、いいんだ。国中の娘が花嫁になりたいと押し寄せてくる。娘だけでなく、その親や付き添いやいろんな者達がやってきて、帝都の景気はよくなるだろう。
帝都だけではない。そんな一行が旅をしてくれれば、街道筋の店や宿屋は儲かるだろう。そして、集められた娘達が競い合うんだ。これは帝国民の娯楽にもなる」
ネスケルはあっけに取られていた。実はアンドレアスは自分でも呆れていた。次から次へと口からアイデアが飛び出してきたが、本気で言ったわけではない。
だが……それも悪くないかもしれない。
跡継ぎは欲しくても、取り澄ました上品な姫なんかと結婚したくなかった。自分は皇帝でありながら、兵士に混じって己を鍛えることが好きなのだ。そして、戦うのが好きな粗野な男だ。姫なんかとは合わないに決まっている。
「最終的にはもちろん私が選ぶ。身分は問わない。早速、手続きをしてくれ」
「陛下……やはりそれは……」
ネスケルはなんとかアンドレアスの決意を翻させようとしている。