皇帝陛下の花嫁公募
 彼女と一生添い遂げる約束をしているのだ。まだ一度しかベッドを共にしていないのに、ここで死ぬわけにはいかなかった。

「私はまず陛下の身を守る者達を厳選しなくては。誰が信用できて、そうでないのか、見極めねばなりません」

 アンドレアスは頷いた。

「それはおまえに任せる」

「陛下……」

「なんだ?」

「私を信用してくださって、ありがとうございます」

 アンドレアスははっとして、改めてネスケルに視線を向ける。彼はいつになく嬉しそうに微笑んでいる。

 確かに、彼に任せるということは、彼を信用しているということだ。

「陛下はご自分でなんでもされてしまいます。もっと私や他の者を信じてほしいと思うことがたくさんありましたが、陛下の命に関わることを任せていただいて、本当に嬉しいのです」
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