皇帝陛下の花嫁公募
エピローグ
半年後、ヴァンダーン帝国は隣国と平和条約を結び、両国に平和が訪れた。
そして、五年の年月が過ぎた。
リゼットは皇太子エアハルトと皇女シャルロッテを産み、皇妃として揺るぎない地位を築いていた。
今日はアマーナリアから来た新婚の王太子エーリクとその妃フローラの歓迎の行事が行われている。彼らは新婚旅行の途中でこの宮殿に寄ってくれたのだ。
アマーナリアはリゼットの結婚によって得た援助金の他に、何かとアンドレアスが気を配ってくれたおかげで、荒れていた湿地帯を整備したり、土地を改良することで多様な作物が採れるようになった。
豊かな国とまではいかなくとも、以前ほど貧しい国ではなくなっていて、王族の人間が身売り同然に裕福な相手と結婚せずともよくなった。
エーリクも幼馴染のフローラと結婚できて、リゼットに感謝してくれているらしい。もちろんアンドレアスにもだ。
まず馬車から降りてきたエーリクとフローラに、エアハルトとシャルロッテが花束を抱えて渡した。この二人の子供は宮殿の人気者で、みんなから愛されている。リゼットの自慢の子供達でもあった。