皇帝陛下の花嫁公募
確かにしっかりとした作りではある。だが、よその国のそれなりの馬車に比べると、とてもとても古くさく見えて仕方なかった。地味に小さな紋章がついているだけで、大した飾りもない。
その上、国一番の仕立て屋に誂えてもらったはずのドレスがどう見ても流行のものとは違っていた。
ドレスだけではない。残念ながら帽子も靴もそうだ。
帝都に着くまでに、かなりの日数がかかったのだが、その旅の途中で何度もそう思ってしまった。
アマーナリアがどれだけ後進国なのか、嫌と言うほど判ってしまったのだ。
しかも、宿屋ではリゼット達の一行を見て、ひそひそと噂をされていた。
『あれが王女なんだって。嘘でしょ』
『アマーナリアってどこだよ? 聞いたことねえな』
『ずいぶん遅れた国なんだろうね。ほら、見てよ。あのドレス』
『皇帝の花嫁募集って話に乗ってきたんだろう? 無理無理。どこの田舎娘だよ』
自分が馬鹿にされるだけならいい。だが、アマーナリアを馬鹿にされたくなかった。まして母妃まで噂の種にされて、リゼットはつらかった。
その上、国一番の仕立て屋に誂えてもらったはずのドレスがどう見ても流行のものとは違っていた。
ドレスだけではない。残念ながら帽子も靴もそうだ。
帝都に着くまでに、かなりの日数がかかったのだが、その旅の途中で何度もそう思ってしまった。
アマーナリアがどれだけ後進国なのか、嫌と言うほど判ってしまったのだ。
しかも、宿屋ではリゼット達の一行を見て、ひそひそと噂をされていた。
『あれが王女なんだって。嘘でしょ』
『アマーナリアってどこだよ? 聞いたことねえな』
『ずいぶん遅れた国なんだろうね。ほら、見てよ。あのドレス』
『皇帝の花嫁募集って話に乗ってきたんだろう? 無理無理。どこの田舎娘だよ』
自分が馬鹿にされるだけならいい。だが、アマーナリアを馬鹿にされたくなかった。まして母妃まで噂の種にされて、リゼットはつらかった。