皇帝陛下の花嫁公募
 宮殿を見ただけで意気消沈したリゼットだったが、馬車は門番の許可を得て、敷地内へと入っていく。

 そして、衛兵が指示する場所へと馬車は停められた。

 御者が扉を開く。

 もうここまで来たら、逃げ帰るわけにかいかない。そもそも逃げ帰ったら、祖父やその愛人はどう思うだろう。父王や城の人達はさぞかしがっかりするはずだ。

 やるだけやるわ!

 選ばれなかったら、それまでよ!

 リゼットは意を決して馬車から降りた。
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