それでも、わたしはこれを恋と名付けたい。



だから、余計に

返信がないと

反応してもらえないと


不安で不安で堪らなくなる。




「……ごめんなさい、何でもないです」

「何でもないって……」


一ノ瀬さんは何か言いかけていたけど

わたしの頭の上にポンッと手を置いて、

優しく、頭を撫でてくれた。


「悪い、もし聞いてほしくなったら教えてくれ。卵焼き、美味かった。ご馳走さん」


そう言ってわたしの隣の席を立つ一ノ瀬さん。


気を遣わせてしまったかな……

まだ半分も食べていないコンビニのお弁当箱がその場に残されていた。






その日の夜。

まさくんから返信は来た。


ごめん寝てた、なんて。

こんなに長い時間寝てるわけないよね?



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