それでも、わたしはこれを恋と名付けたい。


30分も会話が続くか心配だったけど、


一ノ瀬さんは景色を見ながらだったりだけど、ずっと話しかけてくれていた。

気を遣わせてしまっていることに申し訳なく思いながらも


その優しい気遣いが、とても心に沁みた。





電車を降りて、バスに乗ること10分。
辿り着いたのは、公園だった。

ずっと暖房の効いた車内にいたからか、冷たい風が吹くと身震いしてしまう。


落ち葉を踏みつけるたびに、

これは自分なんじゃないかと思ってしまう。


踏まれても悲鳴を上げない存在。

悲鳴を上げないんじゃない。

泣きたくても、叫びたくても


それを受け止めてくれる人がいないだけなんだ。

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