それでも、わたしはこれを恋と名付けたい。
梅の花の花言葉、知ってるか?と急に問いかけられる。
ひまわりとかだったら聞いたことあるけど……
確か、あなただけを見つめる……だったかな。
考えても知らないものは分からなくて、首を横に振る。
『上品』『高潔』『忠実』『忍耐』
一ノ瀬さんがそんなことを知ってる人だとは知らなくて、ちょっとびっくりしてしまった。
「お詳しいんですね」
「ずっと、吉川は梅の花みたいだなって思ってた。
控えめで、心がキレイで、真面目で…
ずっと、色んなことに耐えてきたんだろ、ひとりで」
「ひとりで……」
ぽたっと、地面に雫が落ちる。
わたし、泣いてるんだ、と気付く前に
その涙が、そっと拭われた。