それでも、わたしはこれを恋と名付けたい。
今日を迎えるのを、ずっとずっと待ち望んでいたのに。
その日が来ることはもうないと、知ってしまったから。
「……まさくん、ありがとう」
大好きだったよ。
その言葉が、声になることはなかった。
彼からもらったものは、全部
わたしの中に、思い出として残る。
幾ら泣いても
幾つになっても
誰かと別れる瞬間だけは、慣れない。
本当だったら、今日は
2月14日で…
わたしとあなたの1年記念日だったはずなのに、ね…
少し冷たい風が吹いて、びゅうっと落ち葉が軽く宙に舞う。
落ち葉が舞っても地面に落ちても、誰一人気にする人なんていない。
彼にとってわたしも、その程度の存在だったのかもしれない。
コートのポケットからスマホを取り出して、アルバムの画面を開く。
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