それでも、わたしはこれを恋と名付けたい。
でも……
「……どうした?」
「まだ、わたしには……彼とのアルバムを消すことは、できないみたいです…」
「……そう、だよな。困らせてごめん。
でも、すぐに思いを消せないのは、俺も同じだから」
真っ直ぐな瞳。
目を逸らすことが出来ない。
「折角梅を見に来たんだ、見たら気晴らしに美味いもんでも食いに行くか!振られたもん同士!」
弁当とチョコのお礼もしたいしな、と付け足して一ノ瀬さんは大げさに笑ってみせた。
それが強がりだとは分かってはいるけど……
今は、その笑い声がすごく有り難い。
「……はいっ!」