それでも、わたしはこれを恋と名付けたい。
「いつもありがとうございます、一ノ瀬(いちのせ)さん」
一ノ瀬さんは、うちの施設、『ニコニコデイサービス』でもう古くから働いている介護福祉士さん。
髪は短髪で、肌は健康的な小麦色。
いつも明るくて、太陽みたいな人だ。
わたしももう4年以上は働いているしそこまで新人ではないのだけど
それでも気を遣ってくれる、優しい人。
「な、なぁ、吉川って彼氏とか…」
「お風呂は嫌って言ってるでしょうが!あっち行って!!」
あぁ、松井さん今日こそはお風呂に入れてあげたいんだけどな…
少し離れたフロアまで声が響いているし、このままだと近くのスタッフに殴りかかってしまいそうな勢いだ。