それでも、わたしはこれを恋と名付けたい。



「いつもありがとうございます、一ノ瀬(いちのせ)さん」


一ノ瀬さんは、うちの施設、『ニコニコデイサービス』でもう古くから働いている介護福祉士さん。



髪は短髪で、肌は健康的な小麦色。

いつも明るくて、太陽みたいな人だ。



わたしももう4年以上は働いているしそこまで新人ではないのだけど


それでも気を遣ってくれる、優しい人。



「な、なぁ、吉川って彼氏とか…」

「お風呂は嫌って言ってるでしょうが!あっち行って!!」


あぁ、松井さん今日こそはお風呂に入れてあげたいんだけどな…


少し離れたフロアまで声が響いているし、このままだと近くのスタッフに殴りかかってしまいそうな勢いだ。



< 6 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop