MちゃんとS上司の恋模様




 藍沢さんは一人で立っていられない私の腰を抱き、助けてくれる。
 スミマセン、と謝って一人で立とうとするのだが、やっぱり立てない。
 完璧に酔っ払ってしまったようだ。

 そんな私をギュッと抱き寄せてきて、藍沢さんは耳元で囁く。

「僕にしっかりと掴まっていて?」
「はい……すみましぇん」

 呂律も回っていない。挙げ句の果てには眠くなってきてしまう。
 ウトウトし始めた私は、藍沢さんに助けてもらいながら歩くことになってしまった。

 すごく眠たい。早くベッドで眠りたい。

 そんなことを呟いた気がする。すると、夢見心地な私の妄想なのか。藍沢さんが何か言った気がする。

「じゃあ、少し休憩していこうか」

 それに頷いたかもしれないし、していなかったのかもしれない。
 それぐらい曖昧で、とにかく睡魔に襲われていた。

 どこをどう歩いていたのか覚えていない。だが、私はベッドに身体を預けていた。

「麦倉さん、いや、真琴ちゃん。ずっと好きだったんだ。抱きしめていい?」
「ふにゃあ……? なんのことでしゅかぁ?」

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