MちゃんとS上司の恋模様
「ウップ!!!」
私に覆い被さろうとしていた藍沢さんを払いのけ、慌ててトイレに飛び込む。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!!
グルグルと視界が回り、とにかく胃から込み上げてくるものが気持ちが悪い。
私は、ずっとトイレから出ることが出来ず、かなりの時間が過ぎていく。
だが、まだまだ気持ち悪いからトイレから出ることはできない。
それから少し経ち、目眩も収まって込み上げてくるものがなくなってきた。
やっとの思いでトイレから出ると、藍沢さんはちょっと引き気味で私から逃げるようにベッドから立ち上がった。
はっきりいってまだ気分が悪い。身体はフラフラだったから、私はそのままベッドに横たわった。
ああ、辛かった。無事でなにより……
ホッとしている私とは真逆で、藍沢さんはどこか余所余所しい雰囲気で突っ立っている。
そんな藍沢さんは先ほどまでの優しく穏やかな雰囲気から一変、困惑な表情を浮かべていた。
私と目線が合うと、なぜか藍沢さんは挙動不審になって言い訳がましいことを口にし始める。
その慌てぶりは、「これ、嘘だよね」とすぐにわかるような感じである。