MちゃんとS上司の恋模様




 その前に、こんなに酔っ払っていては仕事にはならない。
 もし、万が一須賀主任がここに来て、私を仕事場に連れて行こうとしたときには断固として拒否しよう。
 とてもじゃないが、今の私の状態では仕事にならない。かえって足手まといになるだけだ。

 そんなことをツラツラ考えていると、急に喉が渇いてきた。
 冷蔵庫に設置されていたミネラルウォーターをたっぷり飲むと、今度は再び睡魔が襲ってきた。全くもって欲求に忠実な身体である。
 私はベッドに寝そべって、惰眠をとることにした。

 藍沢さんがホテルの支払いを済ませておいてくれるといっていたし、ご厚意に甘えて一晩泊まってしまおう。
 そして、宿泊代は後日藍沢さんに返せばいいだろう。

 うつらうつらしながら、そんなことを考えていると、チャイムの音が激しく鳴り始めた。
 ついでにドンドンという扉を叩く音も聞こえる。

 一体誰だ、非常識なことをするのは。こちらとしては眠っていたいのに、迷惑極まりない。
 怒りを覚えながらフラフラと扉の前まで行き、外を確認する。

「っひぃぃぃ……!」

 そこにはすごい剣幕でこちらを睨んでいる須賀主任の顔が見える。
 背筋に悪寒が走って、私は身震いをした。

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