MちゃんとS上司の恋模様



「そうなんですけど、どうしても呼んじゃうんです……」

 恥じらう典子ちゃんは、めちゃくちゃ可愛い。
 そんな彼女にデレデレのお兄ちゃんは、フフッと笑い声を出してキレイにあざとく笑った。

「典子には優しくしているつもりだよ? 家での夜を除いて、ね?」
「っ!」

 そこで一気に典子ちゃんの顔がますます赤く染まった。手で顔を覆い、とにかく恥じらいだしたのだ。
 どうしてそんなに恥じらうのか、と首を傾げる私にお兄ちゃんは盛大にため息をついた。

「真琴。二十歳の典子に負けていてどうするんだ?」
「何を? 意味が全然わからないんだもん。なによ、年増だって言いたいの?」

 それならお兄ちゃんの方が年増のおじさんじゃん、と口を尖らせると、お兄ちゃんは私を鼻であしらった。

「まぁ、いい。お前もいずれわかるはずだから」
「よく意味がわからないんですけど! それより私は典子ちゃんにドS対策を聞こうと思っていたのに」

 ブーブー文句を言い続ける私に、お兄ちゃんは肩を竦めて苦笑する。

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