MちゃんとS上司の恋模様



「そもそも、どうしてそんなことを言い出したんだ?」
「べ、別に? お兄ちゃんには関係ないし」

 お兄ちゃんに須賀主任のことを話したら、何と言われるか。
 シスコン丸出しで須賀主任に睨みを利かせるか、それとも陰でわからないように策略を練るか。
 考えるだけで恐ろしい。

 シスコンクールドSの称号にふさわしい攻撃に、私は内心震え上がる。

 だが、ここは私も強気だ。
 今までの恨み辛みを滲ませてそっぽを向くと、耳元で魔王のような恐ろしい声色でお兄ちゃんは囁いた。

「そういうことを言うんだね、真琴は。お兄ちゃんは悲しいな」
「えっと、その……」

 お兄ちゃんの声は悲しさに満ちてはいない。どう考えても怪しさいっぱいだ。
 たじろぐ私に近づき、お兄ちゃんは再び囁く。

「お前の恥ずかしい過去、色々と暴露してもいいんだよ?」
「っ!」

 ビクリと肩が震えてしまう。

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