MちゃんとS上司の恋模様




 生まれたときから、私のすべてを把握しているであろうお兄ちゃん。
 ここ最近は典子ちゃんに現を抜かしていたので、私にまで目を配ることはできなかったようだが、それまでの私の過去はすべて知っているといっても過言ではない。

 そう、良いことも悪いことも。そして、恥ずかしすぎて黒歴史と呼ばれる過去さえも……
 それをこの純粋無垢で可愛らしい、年下の義姉である典子ちゃんにすべてをバラすと脅すのか。

 なんたるドSだ。典子ちゃんにだけドSぶりを発揮しないなんて贔屓だ! 

 でもまてよ、と私はハタと気がついた。
 典子ちゃんにS属性を発揮するのは家にいる夜だけと言っていなかったか。
 他人の目がないときにS属性が発動するということだ。

 ということは、典子ちゃんも未だにお兄ちゃんからのドS攻撃を受けているということになる。
 じゃあ対策を聞いても無駄かと脳裏を過ぎったが、今はそれどころではない。
 この耳元で悪代官もビックリするほど恐ろしい声色で脅す実兄を、なんとかせねばならない。

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