MちゃんとS上司の恋模様
「その須賀っていう男。真琴からの話を聞いているだけでも曲者っぽい感じがするね」
「……お兄ちゃんが言うって。どれぐらい曲者なのよ」
これはもう、どうしようもないのかもしれない。
須賀主任対策なんて生ぬるいことを言っている場合じゃない。さっさと逃げ出すことを考えなくてはならないだろう。
頭の中でグルグルとそんなことを考えていると、お兄ちゃんは肩を竦めた。
「真琴がそのドS鬼軍曹から逃げることができるのか。見物だね」
「だから! 須賀主任は別に私のことはどうとも思っていなくて、ただ弄りがいがあるってだけだと思うから」
「ふーん」
何か言いたげなお兄ちゃんを一瞥したあと、私は口を開く。
「それより、万が一須賀主任が私に気があるとしてね? どうしてお兄ちゃんは冷静でいられるの? 今までだったら、そんな男が私の近くにいたらけん制かけなかった?」
昔からお兄ちゃんは私に近づく男性に容赦なかった。
それなのに今回に限って、何だろう。このウェルカム状態は。