MちゃんとS上司の恋模様



 気がある、気がないは、この際どちらでもいい。
 ただ、鬼軍曹の気まぐれなお戯れを阻止したいだけなのだ。

 そう訴える私を横目でチラリと見たあと、ニヤリと悪魔のようにお兄ちゃんは笑った。

「今回のドS鬼軍曹は骨がありそうだから。どんな戦略で真琴を捕らえようとするのか興味があるな」
「お兄ちゃん!!!」

 明らかに楽しんでいるお兄ちゃんに苛立ちを募らせていると、先ほどまで黙っていた典子ちゃんがコロコロと笑いながら言う。

「でも、真琴さん。その須賀さんのお話するとき、嫌っているようには見えませんでしたよ?」

 ね、先生。と、お兄ちゃんに同意を求める典子ちゃんを見て、私は愕然とした。

(もしかして、私。あまりにS属性に慣れすぎて、弄られることを楽しんでいるのかも!?)

 ドMの道に入り込んでしまったのかもしれない。
 私は愕然として、イチャつく二人を見つめ続けたのだった。

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