MちゃんとS上司の恋模様
「藍沢さんの妹さんは料理お好きですか?」
「今、勉強中みたいだよ。今まで母さんに家事はまかせっぱなしだったから、慌てて勉強しているみたい」
「それなら、これいいと思いますよ。料理の見栄えもよくなるし、これ一つで調理しちゃえば楽ちんだし」
「うん、いいね。妹が喜びそうな可愛い感じがいいよね。これにしよう」
藍沢さんも一目見て気に入ったらしい。良かった。
ラッピングをしてもらい、なんとか妹さんへの結婚お祝いのプレゼント選びは終了した。
「藍沢さんの妹さん。気に入ってくれるといいんですけど」
ちょっぴり不安を抱いていると、藍沢さんはフフッと天使のようなほほ笑みを浮かべた。
「大丈夫。これ、麦倉さんから見ていいと思ったんだよね?」
「はい! 実は私もずっと欲しいと思っていたんです。可愛いし、料理も楽しくなりそう!」
ニコニコして返事をする私に、藍沢さんは小さく頷いて笑った。
「それなら大丈夫だよ。本当、うちの妹は麦倉さんの趣味とよく似ていると思うんだ。今日麦倉さんが着ている服とかもね。妹はそういう雰囲気のファッション大好きだし」
「そうなんですか」
「うん、本当だよ。ありがとうね、麦倉さん」
「っ!」
ああ! 至近距離でのキラキラ天使スマイルは目に悪いです。眩しすぎる。
天使、藍沢さんの優しげな笑顔で蕩けている私に、彼は連絡通路を指差した。