たとえば、キミをすきになって。
「あ、なつ。」
「なによ、梨久リク。」
「いや、お前にしてははえーなって。」
「あーはいはい、うるさいなーもう。」
はあ、
もうほんとにうるさいよー、
「梨久、セリフ読み合わせする?」
「いいけど、俺覚えてねえや。」
「え?なら早く覚えなさいよ。」
一昨日配られたんだよ??覚える時間たっぷりあるのに!!
「俺はお前みたいに暇じゃねえんだよ。」
「私だって暇なわけじゃないもん。」
いちいち突っかかってくるんだから!!
「まさに、一触即発ね?」
「「美都さん!!」」
部室のドアのところにもたれていたのは、演劇部部長、佐々木美都さんだ。
「幼馴染なんだっけ?楽しそうね。でも、喧嘩よりも、発声練習が先よ。早く来て?」
「「は、はい!!」」
あぁ、梨久のせいで怒られてしまった...。