不器用な彼女
今日は定時で3人揃って事務所を出る。「定時で帰れるように仕事しろ」なんて言われて、何が何でも終わらせねば!と努力した結果だ。
「今夜はどちらへ?」
「教えない」
ニヤニヤする一美と涼しい顔の社長。
「木村、駅まで乗せてく?」
「歩きますよ!二人の邪魔はできませんから❤︎
…なんて、赤ちゃんの為にも歩かなきゃなんです! 体調もだいぶ良いし」
「そうか?」
「大丈夫です。世の中捨てたもんじゃないんで!
お疲れ様でした〜!」
一美はカバンに付いたマタニティーマークを指差し駅の方角に歩き始めた。
「さて、ゆっくり聞こうか?へそ曲がり姫の不満を」
社長はごく自然に詩織の手を取るとキュッと握り駐車場に向かって歩き出す。
「何食いたい?」
「何でも…」
「質問を変える。何が好きなんだ? 和食?イタリアン?」
この質問の仕方は社長らしい。仕事の時も、ハッキリ決められない詩織の答えを引き出してくれる。
「今日は…高いお寿司の気分です!」
「…言うねぇ」
詩織の遠慮なしが嬉しかったのか、社長は目を細めて笑った。
「今夜はどちらへ?」
「教えない」
ニヤニヤする一美と涼しい顔の社長。
「木村、駅まで乗せてく?」
「歩きますよ!二人の邪魔はできませんから❤︎
…なんて、赤ちゃんの為にも歩かなきゃなんです! 体調もだいぶ良いし」
「そうか?」
「大丈夫です。世の中捨てたもんじゃないんで!
お疲れ様でした〜!」
一美はカバンに付いたマタニティーマークを指差し駅の方角に歩き始めた。
「さて、ゆっくり聞こうか?へそ曲がり姫の不満を」
社長はごく自然に詩織の手を取るとキュッと握り駐車場に向かって歩き出す。
「何食いたい?」
「何でも…」
「質問を変える。何が好きなんだ? 和食?イタリアン?」
この質問の仕方は社長らしい。仕事の時も、ハッキリ決められない詩織の答えを引き出してくれる。
「今日は…高いお寿司の気分です!」
「…言うねぇ」
詩織の遠慮なしが嬉しかったのか、社長は目を細めて笑った。