不器用な彼女
「じゃあ何だよ?へそ曲がりの理由は?」

「えっと…今日は…社長が堂々と一美先輩にもお寿司屋の大将にも“付き合ってる”とか“彼女”って言ってくれて嬉しかったんです」

「俺は隠れて付き合うような事はしたくないからな」

「やっと両想いなんだ!って実感出来たし、社長に想われてるんだ!って自身も持てました!

…だから社長の過去は責める気ありません」


「何だそれ?責められるような過去なんてねーよ?」なんて社長は笑ってる。
きっとシャンプーの事言ってら“バカだなー”“気にすんな”“ゴメンなー”って笑ってくれるんだろう。


「お風呂場の…女物のシャンプーとか、メイク落としを見てショックだったんです」


「それか!」

信号は丁度赤。
社長は目を大きく見開いた。

(な、何、その反応!)

車内が暗いせいもあって、驚いているのか焦っているのか分からない。

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