不器用な彼女
化粧と髪を仕上げ今日の為に買った紺色のノースリーブワンピースに着替える。裾と胸元に刺繍が施されキラキラのストーンも付いている。シンプルなようだけど透け感もあり上品で大人っぽいデザイン。

リビングに戻ると社長は姿見でネクタイを結んでる。

「お待たせしました」

「あぁ…大丈夫、まだ時間になって…」

社長は鏡から詩織の方に振り返り固まる。

「へ、変ですかね?」

「いや…行くぞ」

少しは褒めてくれると思ったのに、社長は詩織をチラッと見ただけだ。よそ行きの格好を見てドキドキさせられるのは詩織ばっかりらしい。




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