不器用な彼女
「お前、色見本入れ忘れたろ?」
月曜の朝から不機嫌そうな社長。
「えっ?それは…」
現場に入る家具職人に図面と色見本を送るように指示されたのは確かに詩織なのだが、他の現場の作図で忙しい詩織に代わって茉由が引き受けてくれた件だ。
「社長、私が忘れたんです!」
「あ、坂上は黙ってろ。…いいか、俺はお前に頼んだんだ。ちゃんと最終確認しろよな!」
「はい…申し訳ありませんでした」
悔しいけど、チェックしなかった自分に非があると謝るしかない。
「午後イチで青木が取りに来るから渡しとけ」
些細なミスだけど、ミスで工期が遅れたり、他の内装業の職人の手配が狂うのは詩織にも分かる。詩織だって過去に何回か失敗し、その都度社長に謝り、社長も段取りを組み直し職人に頭を下げ、時には現場に手伝いに入らなければならなくなる。
「もしもの時はお前が行けよ、現場の手伝い」
詩織が行ったって大した役には立たないのに。
「俺は忙しいんだ」
社長は詩織から視線を逸らすとパソコンに向かった。
月曜の朝から不機嫌そうな社長。
「えっ?それは…」
現場に入る家具職人に図面と色見本を送るように指示されたのは確かに詩織なのだが、他の現場の作図で忙しい詩織に代わって茉由が引き受けてくれた件だ。
「社長、私が忘れたんです!」
「あ、坂上は黙ってろ。…いいか、俺はお前に頼んだんだ。ちゃんと最終確認しろよな!」
「はい…申し訳ありませんでした」
悔しいけど、チェックしなかった自分に非があると謝るしかない。
「午後イチで青木が取りに来るから渡しとけ」
些細なミスだけど、ミスで工期が遅れたり、他の内装業の職人の手配が狂うのは詩織にも分かる。詩織だって過去に何回か失敗し、その都度社長に謝り、社長も段取りを組み直し職人に頭を下げ、時には現場に手伝いに入らなければならなくなる。
「もしもの時はお前が行けよ、現場の手伝い」
詩織が行ったって大した役には立たないのに。
「俺は忙しいんだ」
社長は詩織から視線を逸らすとパソコンに向かった。