不器用な彼女
自分は身動きが取れず、仕方がないから尚美を頼ろうと思った。

尚美はきっと保証人も身元引受人にもなってくれる。
入院に必要な物、下着や着替えなどもお願いしなければならないし…。
会社にも連絡しないと…。

そんな事を思いながら2日ぶりに携帯の電源を入れた。


携帯が起動すると、ラインのメッセージを伝える音が何度も鳴った。留守番電話にも何件も伝言が残っている。

それは全て社長からのもので、内容は心配しているものだった。

伝言を聞いたら…愛しい人の声を聞いたら…苦しくて、悲しくて、でもやっぱり愛しいと思った。





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