不器用な彼女

本当は返事なんかしたくないけど、フゥと息を吐き社長の方を見る。



(!!!!!!)



目が合った。

そこには鬼の形相の社長。


「俺を無視するとはいい度胸だな」

「ト…トイレに…行ってきマ-ス…」

何か言いたげな社長から逃げるようにトイレに駆け込んだ。

(何だ、あの顔!……コワッ!)

蛇に睨まれるカエル?
目が合うと石になる?

社長に生意気な態度を取った事を深く後悔する。

でも、自分のミスの後始末なら喜んで残業しますとも!

でも、自分のミスじゃないし…誕生日だから定時に帰りたかったんだ。



< 2 / 203 >

この作品をシェア

pagetop