不器用な彼女
本当は返事なんかしたくないけど、フゥと息を吐き社長の方を見る。
(!!!!!!)
目が合った。
そこには鬼の形相の社長。
「俺を無視するとはいい度胸だな」
「ト…トイレに…行ってきマ-ス…」
何か言いたげな社長から逃げるようにトイレに駆け込んだ。
(何だ、あの顔!……コワッ!)
蛇に睨まれるカエル?
目が合うと石になる?
社長に生意気な態度を取った事を深く後悔する。
でも、自分のミスの後始末なら喜んで残業しますとも!
でも、自分のミスじゃないし…誕生日だから定時に帰りたかったんだ。