不器用な彼女


(寝てやがる)

ムラムラ、悶々としている椎名をよそに、詩織はいつの間にかズルズルと寝息を立てている。
鼻水まで垂らして。。。これからって時に。。。

意識のない女性を自分本位で抱くほど子供ではない。


ベットボードからティッシュを取り詩織の鼻を拭う。

(汚ねぇな…)


椎名の体に触れる胸。着痩せするタイプなのか、思っていたより大きい。肌も白くスベスベだ。
下着を外し顔を埋めたい衝動に駆られながらも我慢の時間が流れていく。生殺し状態。

ベットから抜け出そうにも腰に腕を回され、足も絡みついている。



それは言い訳?
体を離そうと思えば出来ないわけではない。

本当は詩織の抱き心地の良さに離れられなかった。

久し振りの女の体を、緊張を楽しんでいた。

詩織の髪を指に絡めて遊び、そしていつの間にか眠りに落ちたんだ。
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