不器用な彼女
「…体から始まっちゃう恋ってのはどーぉ?」

「やめてよ!想像できない!私と社長が恋人になるとか。あ、その前に向こうから願い下げじゃないかな…女して見られてない気がする。歳も随分上だし。。。」


社長と付き合うなんて考えた事も無い。ヒール履いたら社長の背を越しちゃうし、見た目清潔感ないし。ちゃんとしてたら格好良いのに。。。

恋人同士の甘い愛の囁き。燃えるような夜。
恋愛偏差値は異常な程低いが、相思相愛、イチャイチャを夢見る詩織は社長との恋人らしい事が想像できずにいる。

「無いわ、絶対」

「ま、これを機にお酒に飲まれないようにするのと…そろそろ恋をしてみたら?」

「恋ね〜…面倒くさいわ」


恋なんて何年ご無沙汰だろうか?
大学時代に付き合った初めての彼に処女を捧げ、数回体の関係はあったものの数ヶ月後には自然消滅のような後味悪い終わりを迎えた。
それが恋だったのか、今となっては分からない。
年頃の焦りがあっただけな気がする。

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