不器用な彼女
「昔の彼を引きずってる訳?」

「ん、それは無い」

「そんな相手に初めてを捧げた訳?勿体ない!
んもぅ!この隠れ巨乳!」

尚美はいきなり詩織の胸を掴む。女二人でキャアキャアと騒ぎ笑う。

「キャー!やめてよ!」

「この武器使わなきゃ!
いい?社長をモノにするの!女性ホルモン出さなきゃダメよ〜!
このままだと…老後は寂しいわよ〜」

「まだそんなの考えたくなーい!」

相変わらず詩織の胸を揉みしだく尚美のオデコをペチン!と叩いて動きを制止する。

「とりあえず、社長に聞いてごらんよ。酔っ払った詩織にも問題はあるけど…それに手を出したとしたら…それも問題アリだし? 妊娠とか病気とか怖いし。
仕事、好きなんでしょう?」

「…うん。聞いてみないとね」


何も解決してないけれど、尚美に話すことで少しスッキリし前向きになれたような気がした。
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