不器用な彼女
主人公が仕事に恋にと悩み奮闘するストーリー。
山あり谷ありを乗り越え、結果はやっぱりハッピーエンドだった。

「◯◯くん…格好良かった〜」
「あのキッス!見た?あ〜っ!私も◯◯くんとキスしたいっ!」

映画の後に寄った居酒屋で周りの目も気にせず焼き鳥片手に熱弁をする尚美。

映画に出ていた俳優に夢中な様子の尚美。もちろん尚美のリクエストでこの映画を観ることになったのだが。。。

「なーんか感動とか感激とか、キュンキュンする気持ちは無い訳?」

シラーっとしている詩織に尚美がくってかかる。

「いや〜、良い映画だったとは思うけど。。。」

恋だの愛だのキュンキュンだの、憧れは勿論あるけれど…大した恋愛経験もなく、主人公のような可愛さもストレートさもない詩織には込み上げるような興奮は起こらない。

「うわっ、恋愛偏差値20だね」

「…何とでも言って!」

詩織はグラスに残ったビールを一気に流し込んだ。
< 47 / 203 >

この作品をシェア

pagetop