不器用な彼女
「社長…あの人と付き合ってるのかな?」

「そうかもね…」

昔から社長と一美は仲が良い。冗談を言い合ったりいつも楽しそうにしてる。

会社でも実は詩織が邪魔だと思われていたりするのかな〜? 車で送って行くなんて家を知ってる程の仲なんだろうな〜とか。

もし付き合っているのなら、隠されていた事もショックだ。



カウンター席の他のお客さんが引けてから、カツミが真っ直ぐ詩織の目を見て口を開いた。


「詩織チャン…恭介が好きなんでしょう?」

カツミの言葉にドキッとする。

「いや、違います…」

「好きじゃないならそんな顔はしないわ」

カツミがフッと笑う。


これは敵わないと詩織は正直な気持ちを口にした。

「社長への気持ちが…恋愛なのか…憧れとか尊敬なのか…自分でも分からないんです。


…でも…社長と先輩が…一緒なのを見たら…ここがギュッとしました」

詩織は自分の服の胸元をギュッと握った。

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