不器用な彼女
「社長には先輩も居るのに!…そんな簡単に冗談言わないで下さい!」

急に怒りだした詩織に社長は驚いている。

「あ…お前…知ってたのか?」

「知ってます!」

「ん…そっか。それが原因でお前のやる気が削がれてんのか?」

「はい!

…私、仕事辞めます!気を遣うのも、もう疲れました!」

後先考えずの勢いで“辞める”と言ってしまった。

心が苦しくて苦しくて…もう社長に関わらない方が良いように思うから…後悔はしない。多分。
ずっと考えてた事だし。。。

「…そっか…悪かったな。辞めるなんて言うなよ。本心じゃねぇだろ?
…この先どうなるかなんて分からないけど…俺の予想だと、きっと上手くいくと思うんだよな」

社長はボールペンをクルクル回しながら考え込むような表情をし天井を見ている。

何が“上手くいく”??? 恋人が居ながら私とも仲良しこよしで“三人で仲良くしよう!”って事???

そんな人だとは思わなかった!

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